まずは、簡単な簡易バージョンをご紹介します。
1:1:1お弁当箱栄養管理法(111弁当箱法)の原理にはあまり興味が無いという人や、とりあえず試してみたいと言う人は簡易バージョンで始めてみてはいかがでしょうか。簡易バージョンは以下の3ステップで行います。
ステップ1:マイ・ポーションの設定
ステップ2:自分用の弁当箱を使って実際に食事を作る
ステップ3:キッチン秤を使って重さで調整する
作ったお弁当の食べ方も大事です。実際に手に取ってサイズと重さを感じ、自分にとって適切なポーションサイズ(マイ・ポーション)を確認しながら、お弁当を食べましょう。そうすることによって、市販のお弁当を購入する際やお弁当以外の食事の時でも、自分のポーションサイズを思い出すようになります。
1:1:1弁当箱健康管理法の原理を知りたい方や、更に自分用にオーダーメイドで設定したい場合は、後日に更新する「通常バージョン」の項目をご覧下さい。
Ver.1.0:2023年6月12日投稿
ステップ1:マイ・ポーションの設定
(マイ・ポーションとは、自分にとって適切な1食分の食事量のことです)
ここでは、自分にとって適切なポーションサイズ(弁当箱サイズと重さ)を確認し、自分用弁当箱を準備します。
以下の2通りの方法があります。
1)身長から自分用の弁当箱のサイズと重さを設定する方法
例えば、身長が162cmなら、上から2段目に書かれている700cc(=700ml)の弁当箱を準備します。ぴったりサイズの弁当箱が無い場合は、できるだけそれに近いものを選び、後で重さで調整します。700ccの容器なら一食が480kcal前後となり、一日の食事エネルギー量が1400~1600kcalになるよう想定されていることが表に書かれています。上記の弁当箱サイズは厳密なものではありませんが、大きくずれると、設定エネルギー量だけでなく主要栄養素の比率がずれてきますので、自分用に設定されるサイズに近いものをお選びください。弁当箱の深さが浅すぎたり、深すぎたりするものも入れる食材に制限が出たり、詰めにくくなりますので、平均的な深さの弁当箱をご準備ください。
2)想定した1日食事エネルギー量(カロリー量)から自分用の弁当箱を設定する方法
もう一つの方法として、この表の右端にある1日の想定エネルギー量から弁当箱サイズを設定することもできます。例えば、1日に1500kcalの食事でダイエットしたい場合や、主治医から1日の食事エネルギー量を1500kcalにするよう指示されている場合、お弁当箱は上から2段目に書かれている700ccのものを準備します。
この簡易板早見表は、1日の食事エネルギー量を25-30kcal/目標体重/日で計算し、1日の食事エネルギー(カロリー)量の30~33%を1食分として食べることを想定して設定しています。
ステップ2:弁当箱に食事を詰める
自分用サイズの弁当箱が準備できたら、主食(ご飯)、主菜(お肉、魚料理等のメインディッシュ)、副菜(野菜類)が3等分になるようにお弁当を作ります。揚げ物はできるだけ1品くらいにしておいてください。
ステップ3:重さで最終調整
ステップ2だけだとギュウギュウに詰めすぎていたり、逆にスカスカになったりするので、最終的にキッチン秤を使って、目標とする重さになるように主食やおかずの量を調節してください。例えば、表の2段目に青字で書かれている700ccの弁当箱だと340gに調整します。今までの経験から、多くの人では、実際に重さでの調整が必要なのは最初の3~4回くらいで、複数回作ればキッチン秤無しでもほぼ同じ重量でお弁当を詰めることができるようになるようです。そのため、最終的にはステップ2のみで弁当が作れるようになります。しかし、日が経つにつれて感覚がずれてくることがありますので、適切なお弁当を作れているかを確認するために、少なくとも定期的には重さでのチェックをして下さい。
最後に:食べる
最後に、食べ方も重要です。この方法で作った適正な栄養組成とエネルギー量を備えた1食を食べるということは大切です。しかし、毎回この方法の食事しか食べられないというと飽きてしまいますし、何よりストレスが大きくなり、多くの人は継続できないと思います。
重要なのは、この方法を使って作った食事を、実際に目にして手に取ってサイズと重さを感じることです。そして、これが自分の食事の1サイズ(マイ・ポーション)であり、ご飯とおかず(主菜、副菜)の適切なバランスであるということを感じて欲しいのです。Don’t think feel(考えるな、感じろ)です。アメリカ人の一食(個人ポーションサイズ)が大きくなったのは、商業的販売戦略でレストランや市販食材の一人分(商業ポーションサイズ)がどんどん大きくなっていったからだと言われています。大食漢の家族(特に両親)がいる環境で育った子供の食事量が多いことも知られています。運動部員が部をやめた後も食事量が変わらず、どんどん太っていくということもよくあるエピソードです。こういった事実から、ポーションサイズに対する環境や学習の影響は大きいと考えられています。何回か定期的に弁当箱法を使っていくことで、自分のポーションサイズを認識して適切なものにリセットしていくことがこの方法の最も大きな目的です。
もちろん、一日の食事の中の一食(昼食)を弁当として置き換えたり、数日に一回でも最も多くなる食事(夕食等)をこの方法の食事に置き換えて、制限食として使うことも可能です。まずは、何度か使ってみてください。この方法で、自分の食行動に何か変化が生まれるかもしれません。
適宜あるいは段階的調整
ここで提案する自分用の弁当箱サイズと重さは、初期設定であって絶対的なものではありません。適宜あるいは段階的に調整が必要となる場合があります。減量効果がなければ弁当箱を1サイズ小さくするか、同じ弁当箱を使う場合は重さを減らすことで調節してみてください。
また、後日更新する「通常バージョン」で自分用にオーダーメイド設定することもできますので、そちらも参照ください。
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